【パチンコ】綱取物語の真実

【パチンコ】綱取物語の真実

はじめに

虚心坦懐のGoing Underground、第82回。

 


 

今回は、1993年頃のお話。

パチスロは不人気気味の4号機時代。前年登場の「チェリーバー(ECJ)」にて、ボーナス成立時にリールがフラッシュしてWINランプが点灯する、という初の告知機能が搭載された。そして、この年に出た「トロピカーナ(メーシー)」「ソレックス(ユニバーサル)」「オリエンタルⅡ(ユニバーサル)」にもこの機能は搭載されていたのだが、当時、朝イチに大当りフラグをホールが仕込みで立てた状態で開店する、いわゆる『モーニング』というサービスがあったため、ランプは軒並み切られていた。

パチンコはCR機では「CR花満開(西陣)」が大ヒット。現金機では攻略法の効いた「春一番(西陣)」(→リンク)、「アメリカンドリームⅡ(三洋)」(→リンク)や、未だに後継機が出続ける「フィーバークイーンⅡ(SANKYO)」「エキサイトジャック2(ニューギン)」なども登場。権利モノでも攻略効果絶大だった「ソルジャー(マルホン)」(→リンク)や「スカイキッズⅢ(SANKYO)」などが登場し、虚心は大忙しであった(笑)。

そんな中、天国モード移行が出玉の鍵を握る数珠つなぎ連チャン機「綱取物語(平和)」も登場した。

「綱取物語」とは!?

大当り確率1/247、大当り出玉約2300個の現金機デジパチ。

この機種には3つのモードが存在し、大当りを契機としてモード移行先が抽選された。大当り終了後は、50%で天国モード(大当り確率約1/37)、約33.3%で通常モード(大当り確率約1/247)、約16.7%で地獄モード(大当り確率約1/988)へと振り分けられた。

綱取物語(平和/1993年)

朝イチ「天国」!?の真相

《リセット後》

「十両」「金星」「小結」の出目で、「通常モード」スタートとなる。

「攻略誌」のガセネタで…

ある日の朝を境に急に朝イチから「綱取物語」のシマが満席になり出した。攻略ネタもないのにと不思議に思って、毎朝、開店前から並んで打っていた知人の学生に聞いたところ、朝イチ1/5で天国モードスタートだから、朝イチから数千円ずつカニ歩くのだとか…。

そんな話を、虚心は聞いたこともなかったので、実機の内部構造に詳しい叔父や知り合いのプロに聞いてみると、朝イチ、リセット後は「十両」「金星」「小結」の出目となり通常モードスタートとのことであった。

…というわけで、この知り合いの学生にも教えてあげたのだが、有名な雑誌に載っていた上、数日間かなり勝てたとかで、全く信じてもらえなかった。まあ、嬢以外の世話を焼くのは虚心的に面倒なので、放っておくことに…(笑)。

一方、虚心は「春一番」や「ソルジャー」など、もっと美味しい台がゴロゴロあった上、「綱取物語」のリセットをかける店の釘状況があまりにも酷かったため、触ることはなかった。また、単に回る台なら「フィーバーキング」の良ステージ台を打てば50回転/千円くらい回せるものもあったこともあり、当時の人気機種の中では、新台当初に大当り後即ヤメの台を打った以外はほとんど打ったことはなかったのである。

「だいたい勝っている!」学生は「だいたい学生ローン!?」

その後、綱取物語のガセネタを信じていた彼とは、何度かホールで会うこともあり、話を聞くと「だいたい勝っている!」といつも言っていたが、次第にホールで見ることも少なくなっていった。

実際、彼は言っていたほどは勝っておらず、一発逆転を狙って学生ローンからお金を借り、当時では珍しい等価交換ホールで勝負をかけていたのだ。因みにこのホール、朝と夕方、2度リセットをかけるイベントを毎日やっていたこともあり、彼的にはチャンスは二倍だと考えていたらしい。しかし、回転率は千円で10回転も回らないのが当たり前。さらに出玉のカットも凄まじく、今では考えられないホールであった。当然、こんな回転率で勝てるはずもなく、数週間後にはこのホールでも大学のキャンパスでも見ることはなくなった。

彼は、勝っていたときは豪遊していたこともあり、バイトも辞めていて、お金が底を尽きたため、限度額までの借金をして、等価ホールに綱取物語を打ちに行っていたそうだ。結局そのお金も使い切り、その借金が原因で親に大学も辞めさせられ、実家に連れ戻されたとか…。

そう、彼こそが、虚心が人生で出会った最初のパチンカスであった(笑)。

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