第14回 かつて実在したゴトシリーズ⑤~裏ロムゴト~

第14回 かつて実在したゴトシリーズ⑤~裏ロムゴト~

あいさつ

皆さん、こんにちは。ここ最近は汗ばむほどの日々なり、例年なら「もういくつ寝ると~♪」とキャバクラの水着イベントまでの日にちを数えている時期ですが、今年もまだまだコロナ禍。なかなか娯楽を満喫できない日々を過ごしております。

そんな中、先日オンライン飲み会で、とある元ホール店長さんから面白いゴトのお話を聞いたので、この場を借りて早速ご紹介したいと思います!

CRギンギラパラダイス(三洋/1995年)
CRギンギラパラダイス(三洋/1995年)

「裏ロムゴト」とは…

夜中にホールに忍び込む等(営業中に白昼堂々付けるグループもいた)して台裏面にハーネス状の裏ロムを取り付け、特殊な打ち方をすることで大当りさせる。取り付け後、打ち子と呼ばれるゴト師にセット打法を使い大当りを誘発させ、不正に出玉を獲得するゴト行為。

史上希にみる大それたゴトの真相とは…???

これは、大ヒットした権利モノ「CRギンギラパラダイス」の裏ロムゴトが横行していた今から25年ほど前のお話。

……ちなみに、当時の裏ロムは「大ヒット機種」に多く作られていた。その方がゴト師にとっても効率が良かったのだろう。一頃、Windowsにはウィルスがあったけど、MacOSにはウィルスが無かったのと考え方は近いかも知れない。

 


 

閑話休題。

 

元ホール店長曰く、当時はまだ平の店員だった頃。夜中にホールに侵入して不正な裏ロムなどを取り付けるゴト行為が、テレビのニュースでも取り上げられるくらい横行していた。この裏ロムは1つ付けられることで、お店の被害は概ね100~150万程度に及んだため、早期発見が非常に大事であった。そして、その対策として、ゴト師の侵入を見逃さないように防犯カメラや防犯センサーなどを設置するホールも多かった。これ、現代のパチンコ屋ではセキュリティ対策も万全なので考えられないが、当時のパチンコ屋を取り巻く環境としては、その程度のセキュリティが当たり前だった。

しかし、そこは手練手管なゴト集団。センサーを感知しないよう「布団などを被って」店内に侵入するゴト師も後を絶たなかった。そんな中、元ホール店長の店では最新鋭の防犯カメラも導入し、「セキュリティー面ではうちはこの界隈では一番万全!」だと自慢げに話していたそうだ。

 

ある日。店内に多少挙動のおかしなギンパラがあったが、カメラを確認しても裏ロムを仕込まれた様子もないため、元店長は「たまたま確率のイタズラ」程度に考え放置していた。

しかし、それからしばらくして台風の時期がやってきた。外は台風。開店前の店内はやたらと雨風の音が響いた。不思議に思って音をたどってみると、壁際の台の奥から聞こえる? 息を飲んで台を開けると、何と建物自体に穴が開けられていて、蓋をしていたモノが剥がれかかり、外が見えたとか…。急いで外に回って壁を確認すると、穴を開けた部分は段ボールとガムテープで塞がれていたが、雨と風で剥がれる寸前だったとのことだ。

 

その後、セキュリティー関係に詳しい人を呼ぶと、裏ロムが3つも発見された。ホールの損失は300万以上にも上ったそうだ。自信満々だった元店長は、脱糞するほどオーナーに怒られたらしい(笑)。まさか、裏ロムを仕込むために壁にまで穴を開けるとは…。この事件がきっかけで、外壁が見える屋外にも防犯カメラを付けたり、壁際に台を設置しなくするホールも出たとか…。

そんなこともあり、元店長は店長就任後、「怒られて脱糞だけはしたくない」との思いで、ゴト師を警戒。常に天井や床にまで気を配るようになった。

 

「ゴト師とゴキブリと浮気心は、油断するとどこからでも侵入する」。元店長の界隈で広まった格言である。この教訓のおかげで、その後、彼のお店はゴト被害にあわなかった。しかし、どうやら浮気心には侵入を許してしまったようで…、後に浮気がバレて離婚され、つい最近まで養育費を支払っていたそうだ(笑)。

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