ぼくらのパチスロを守らねば!

5号機 名機

※過去の「栄光なき名機たち」記事

チワッス、あしのです!

パチスロ界に燦然と輝く名機たちの傍らでひっそりと咲く佳作を紹介するこちらのコラム、今回はSANKYOさんが2007年にブチ込んだ佳作オブ佳作「楽シーサー」について。

パロットを除いたスタンダードなパチスロの初出は2005年10月の「新世紀エヴァンゲリオン」です。

そっからだいたい半年くらいは今で言う「ノーマル機」が主流であり、申し訳程度のRTが発生すれば御の字みたいな感じでした。

今思うと当時の台も面白かったんすけど、4号機時代の絢爛っぷりを知ってる身からするとなかなかどうして寂しいもんがあり、当時リアルタイムで体験してた時は正直「パチスロ終わっちゃった」と思ってた人も多かろうと思います。

実際は2006年には速攻で出玉率119%のリプパン機である「スパイダーマン2」が出るわけですし、のちに覇権を取るARTの萌芽も「怪胴王」「ジャックと豆の木」にてニョッキリと芽を出します。

つまり我々が5号機なんかどうにもならへんでと思ってた時期というのは実際よりもかなりかなり短く、そのすぐ後にはもう「リングにかけろ1」とか「マーベルヒーローズ」とかが出るのを考えると、「高射幸化」のビッブウェーブというのは早くもキテるわけですね。おっきい波のことです。イカチェックのことじゃありませんよ? 

パチスロと射幸性というのは切っても切れないライナスと毛布みたいな関係なので話してもくっついちゃうのは仕方がないんですが、それでガツンと怒られて壊滅的なルール変更があってからまだ三ヶ月程度。

そこで「リンかけ」はやっぱ「あら」と思った人もいると思いますし、なんなら「4.7号機より射幸性高くね」と眉を潜めた人もいると思うんですね。

そこで地球上の誰かが思いました。

ぼくらのパチスロを守らねばと。

6号機 名機
SANKYO/5号機/2007年

完全告知機の名機がたくさんでた!

リプパン機がブームになって、そしてART機が生まれたのと時を同じくして、パチスロでは「完全告知機」の名機が複数リリースされます。

理由は色々考えられるのですが俺はこれを、開発者とかユーザーとかを全部含めた、パチスロに関わるすべての人の意識を集合させた、いわば「大パチスロ意識体」みたいなものがぼんやり感じた、「このままではマズイ」という危機感の現れだったんじゃないかと思っています。

「スパイダーマン2」以降の、2006年末から2007年内に出たノーマルタイプ(演出・天井用以外のRT非搭載)の完全告知機は以下の通り。

・バーグラー(メーシー)
・ジャックポットトロピカルバージョン(岡崎産業)
・アクアビーナス(平和)
・アイムジャグラーEX(北電子)
・ピカスロ(ヤーマ)
・ニューハナハナ(パイオニア)
・プレイボーイ(山佐)
・アイムジャグラー7(北電子)
・ガオガオフェスティバル(SANKYO)
・ピカゴロウV(山佐)
・ミスターマジックネオ(山佐)
・ミスターキャッシュマン(アリストクラート)
・熊酒場(ネット)
・オフショア(ニューモンキ)
・スーパーボム(SNKプレイモア)
・シオラー30V2(パイオニア)
・マリンフラッシュ(アビリット)
・サシバ(トリビー)
・けものっち(サミー)
・常夏アロハ(オーイズミ)
・トリプルクラウン(清龍ゲームジャパン)
・バーニングフラワー(岡崎産業)
・ドゥームズデイ(ファースト)
・ズーマニア(アリストクラート)
・花櫻(エマ)
・マリンフラッシュ(アビリット)
・楽シーサー(SANKYO)
・ナチユリ(ニューギン)
・ハワイ(ネット)
・ハワイっ娘(IGT)
・ブンブンマル(平和)
・ラブリージャグラー(北電子)
・セブンボンバー(バルテック)
・クレイジージョーカー(清龍ゲームジャパン)
・サザンドリーム(ネイチャー・アセスメント)
・ハイサイネオ(トロージャン)
・おり姫は告知がお好き(銀座)
・ビーキッズクラブ(オリンピア)
・ビッグハイビ(パイオニア)
・めんそーれ2(エマ)
・南国姉妹(アスワン東京)
・CANスロ(オルカ)

はいこんな感じ。漏れがなかったら42機種も出てます。25と30が両方出てる機種は1つとカウントしてるので注意。あと細かいバージョン違いの機種もいくつかありますがそれも最初のいっこだけ書いてるので、ホントはもっと全然多いです。

数撃ちゃ当たる方式でだいぶ適当に作ってるっぽいもあるのですが、そんな中にあって「アクアビーナス」「おり姫は告知がお好き」「プレイボーイ」などの名機があるのは忘れちゃならんポイント。

オーイズミの「常夏アロハ」は全日遊連(ホール団体だよ)とオーイズミがタッグを組んで作った激安機種だったので大量導入した店舗もちょいちょいありました。しかも面白かったんすよねこれ。

あとは聞いたことねぇメーカーの名前も並んでますが、その多くが「参入第一弾」でした。なかには残念ながら最初で最後の製品リリースになってしまったメーカーもありますが、気になる方はどれか調べてみましょう。まあ名前でほとんど絞れると思いますけど。

サミーが自社のキラータイトルである「獣王」のキャラを使った「けものっち」を出してたり、沖縄の覇者である「トリプルクラウン」がこの年リリースされてたりしてるのも注目のポイントなんですけども、この時期に出た完全告知機のなかで一番おもしろかったのはどれだ! というと、多分「プレイボーイ」「熊酒場」「アクアビーナス」「おり姫は完全告知機がお好き」「ビーキッズクラブ」あたりに人気が集中すると思います(※ジャグラー・ハナハナ・トリクラは除外

ただね、俺は実はこの中では「楽シーサー」が一番好きだったんですね。

名機 パチスロ

もちろん全部打ったわけじゃないですし、実際触ったのはかなり多めに見積もってもおそらく半分くらいだと思うんですけども、少なくとも上に挙げたような名機は全部打ってます。

その上で…なので、まだ俺が知らない伏龍が潜んでる可能性は全然あるんですけど、その中では「楽シーサー」が頭ひとつ抜けてるイメージ。

理由は分からないです。が、やっぱSANKYOさんの台だけあってパチンコっぽい巨大ギミックが搭載されてて、それが動いたり震えたりするわけです。

で、パチスロでそういうギミックを使った台ってあんまりなかったわけで、もしかしたらその斬新性が俺のハートをプリキュアの如くキャッチしたのかもしれないです。

実際、シリーズ化してますしね。評価も高かったんでしょう。

とりあえず何が言いたいかというと、5号機の序盤、特に半年経ってからの一年は、マジで出る台の3台に1台くらいは完全告知機でしたし、これはやっぱ急速に高射幸化が進むパチスロへの、本能的な怖(おそ)れみたいなのがあると思うんですよね。

ホールも、ユーザーも、それからメーカーも、業界団体さんも、どっかでリプパンでもARTでもない第三の道ってのを探してて、そこで白羽の矢が立ったのが完全告知機だったんじゃないかなぁと、俺は思っています。

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